アドラー心理学

アドラー心理学考察⑥ ~共同体感覚 その①~

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 この記事では、アドラー心理学を紹介した『嫌われる勇気』の内容から僕が印象に残ったことについて、その考えを書いていきたいと思います。ここで紹介するのは「共同体感覚」です。

共同体感覚とは

 共同体感覚について、アドラー心理学のキー概念「共同体感覚」とは何か? | 嫌われる勇気──自己啓発の源流「アドラー」の教え | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp) によると、「他者を仲間だとみなし、そこに『自分の居場所がある』と感じられること」と書かれています。 

 また、共同体感覚を英語に訳すと「social Interest」、すなわち社会への関心となります。そして、ここでいう「社会」とは通常の家庭、職場、学校などの組織だけではなく、「わたしとあなた」という、すべての人間関係を指します。このことから共同体感覚は「他人へ関心を向ける。」ことにつながる概念であるとも言えます。

自己中心的とは 

 また、先の記事によると、アドラー心理学の共同体感覚を理解するためには、

 「わたしとあなた」という人間関係を起点とし、自己への執着「self Interest」を他人への関心「social Interest」へと切り替えることが必要である。

 ということが書かれています。

 この「自己への執着」は「自己中心的」と言い換えることが出来ます。

 「自己中心的」という意味は一般には「常に自分が世界の中心にいるような感覚で、何でも自分の意思を通そうとすること」をイメージするかと思います。
 しかしながら、アドラー心理学における「自己中心的」は、上記の概念に加え、「他者からの承認欲求にとらわれている人」も含まれます。 承認欲求については、別の記事でも言及していますので、そちらも参照ください。

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 一見、「他者からの承認欲求にとらわれている人」は、他者に気を遣い、他者に合わせようとしているので、「自己中心的」というイメージから外れた存在に思えます。

 しかし、その行動の裏には「他者によく思われたい」という目的があります。言い換えると、「人々の関心を買うことで、『他者によく思われたい』自分の欲求を満たす。」ということにしか関心がないということになります。自分の欲求を満たすことにしか関心がないという意味で、他者からの承認欲求にとらわれている人は「自己中心的」であると言えます。

自分は世界の中心ではない

 そして、自己中心的である人は「自分が世界の中心である」と思い、他者から何を与えられるか期待しています。

 しかし、実際は「他者はあなたの欲求を満たすために生きていない」ので、必ずしも他者から何か与えられるわけではありません。

 自己中心的な人は他者から何か与えられないと失望し、「あの人は何も与えてくれなかった」ことを恨むようになります。そして、仲間を失っていきます。共同体感覚も身につくことが出来ません。

 したがって共同体感覚を身につけるためには「自分は世界の中心にいる考えを捨て、共同体を構成する一部分である。」意識づけが必要があります。

 共同体感覚を身につけるには、「自分の居場所があると感じる」所属感を身につける必要があります。そのためには「わたしはその人に何を与えられるか?」を考える必要があるとしています。

 「わたしは何かを与えられる」ことを主観的に感じとれるようになると、自分は共同体にとって有益であると感じ、所属感を持つことができるようになるのではないかと思います。

 そして、他人への関心を向けるには、自ら仕事・交友・愛の「人生のタスク」に向かっていく必要があるとされています。より深い「わたしとあなた」という人間関係を構築することで、共同体感覚を得ていくことになると思います。

まとめ ~僕の「共同体感覚」の課題

 以上でアドラー心理学の「共同体感覚」がどのようなものであるか、僕なりに考察してみました。まとめると以下のとおりです。

  • 共同体感覚は「他者を仲間だとみなし、そこに『自分の居場所がある』であり、かつ「他人へ関心を向ける」こと。
  • 自己中心的な人は自分が世界の中心にいる感覚があり、他者を仲間とみなしていない。
  • 他者からの承認欲求にとらわれている人も自己中心的。
  • 「自分の居場所がある」という所属感を身につけるためには「わたしはその人に何を与えられるか?」を考える必要がある
  • 共同体感覚を身につけるためには、人生のタスクに向かう必要がある

 

 休職前のことを振り返ると、直近では自分の居場所を失った感覚がありました。一方で、うまく行っていたときには自分の居場所があって、共同体感覚も会ったかもしれません。
 したがって、今の自分にとって「共同体感覚」を身につけていくことは、復職に向けての大きな課題であるように感じます。

 僕は承認欲求は求めていないのですが、一方で人生のタスクと言う課題には背を向けた生き方をしています。すなわち、「相手からは何も求めないけど、自分から何かしたいと思わない。」という状態です。

 そういう僕が、共同体感覚の身につけるためにどうすればいいかについて、以下の記事で考察してみましたので併せてご覧いただければと思います。

https://dobbyhukakati.com/%e3%82%a2%e3%83%89%e3%83%a9%e3%83%bc%e5%bf%83%e7%90%86%e5%ad%a6%e8%80%83%e5%af%9f%e2%91%a6%e3%80%80%ef%bd%9e%e5%85%b1%e5%90%8c%e4%bd%93%e6%84%9f%e8%a6%9a%e2%91%a1%ef%bd%9e/

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