この記事ではメンタルヘルスの不調で休職中の自分が、「仕事があるから休みたくない」という心理について、自分の休職前を振り返りながら書いていきます。
僕は休むことに常に怖さを感じていました。終わらない仕事に頭を抱え、平日夜も休日も返上して仕事をしていました。それでも成果は出せず、上司や関係者から怒られる日々でした。ストレスもプレッシャーも溜まってきます。
それでも、「仕事のストレスは仕事でしか解消できない。」と思い、ますます「仕事があるから休みたくない。」心理になりました。
仕事があるから休めない
仕事が溜まっていく
やるべき仕事は通常でも多かったです。ミスやトラブルの復旧に追われることも多かったです。しかも、批判や非難が怖くて「仕事がいっぱいある」という理由で断ることもできませんでした。その結果として仕事が溜まっていく一方になりました。
経緯については下記記事も参照ください。
仕事が溜まっていく一方になると、「何でもいいからとにかく仕事をこなして減らさないと」という気分になり、休むことができなくなります。
仕事量を把握できない
そして、僕は「やるべき仕事の総量が把握できなかった。」ということです。
- 経験ある仕事でも、時間の見積もりができない。
- やらなきゃいけない仕事をToDoリストに書き出すことができない。
(義務感・責任感から逃れたくなり、書き出すのが辛くなる。) - 仕事の成果物のイメージがわからない。
(上司や他部署ともイメージを共有しない。)
仕事量を把握できないことで、どれぐらい時間をかければ仕事が終わるか見通しがたたないまま、闇雲に仕事をすることになります。その結果、ミスや手戻りが発生し、仕事が減らなくなります。でも、やるべき仕事の期限は伸ばせませんから、休むことができなくなります。
明日の自分に託せない
仕事で遅くまでかかって終わらなくなることはしょっちゅうでした。そんな僕の姿を見て、よく周囲から「今日は無理しないで寝なさい。」「考えるのは明日にして今日は切り上たほうがいい。」と言われていました。しかし、それに従うことなく、極限まで仕事をしていました。
なぜなら、明日の自分に託せなかったからです。
- 明日は違うことでトラブルが起きて、いま手つかずの仕事が明日できないかもしれない。
- 考えるのは明日にしても、結局仕事は終わらない。
- 明日怒られて、おろおろする自分が想像できて怖い。
- 休んでしまったら、明日怒られた時に休んだ自分を責めてしまう。
ということを前日の夜中に思ってしまうのです。
結果として、割り切って休むことをせず、うだうだと考え込んでしまうのです。
そして、心も体もボロボロのまま職場に向かって、できていない仕事について、周囲から責められるのです。これなら、仕事投げ出して休んだほうがマシです。
仕事を休みたくない心理
自業自得で仕事を休めない僕でしたが、休みたくないとも思っていました。だからといって、仕事のやる気があったわけではありません。
身を削って仕事をして、自分を慰めたい。
先にも出てきた「休んでしまったら、明日怒られた時に休んだ自分を責めてしまう。」 と考えるクセがあります。だから、仕事が溜まっていてこなせる見込みがなくても、仕事切り上げたり、休んだりせず、「身を削って仕事した」ことを自分で感じていたいのです。
極限まで「身を削って仕事した」ことで、怒られても「身を削って仕事をしたので仕方がない。」と言い訳のです。この言い訳を拠り所にして自分を慰めたいのです。
同情をひく
これは「休まないでいる」ことの一つのメリットです。
毎日遅くまで残業して、休日やプライベートもすべて犠牲にして、疲れていても働いている姿は、たとえ仕事で成果を出していなくても、周囲の同情を引きます。
特に昔は残業、休日返上は美徳と考えられていたこともあり、その時の成功体験に甘えていたように思います。
でも、今は成果を出さないと駄目。こういうことをしても、褒められもせず、かえって無能扱いです。
無能のアピール
仕事を終わらせてしまうと、当然新たな仕事が命じられます。
しかし、僕は、仕事=しんどいことと考えていて、新たな仕事は面倒くさくてイヤでした。仕事を避けるために「毎日遅くまで働いて、休日を返上しても終わらせれないくらい僕は無能。」ということを必死になってアピールしていたように思います。
結局無能扱いされることで、うつ状態と引き換えに、担当していた仕事を強制的に手放し、ラクな生活環境を得たのは事実です。
まとめ
以上、仕事があるから休めない・休みたくない心理について、自分の経験を交えて書いていきました。
僕の場合、
- 仕事が終わらない不安が大きかった。
- 明日の自分が信用できなかった。
- 休まないことで、自分を傷つけ、他者の同情をひいたり、無能のアピールをした。
ことで休めない・休みたくない心理になりました。
もちろん、労働環境の悪さにより、休むことを認めてもらえないこともあるかと思います。ただ、自分の場合は自分勝手な理由だったと思いました。
最後になりますが、もし、周囲から「休め」「病院に行け」と言われたら、それはもう、ろくに仕事ができない状態です。
職場から「休むと迷惑がかかる。」と言われても、よほど多忙や人手不足でもない限り、かえって迷惑をかけることになるので、休みましょう。
一時的な多忙や人手不足は仕方ありませんが、慢性的な多忙や人手不足は、業務量や人員投入を考えなかった職場の責任です。しかも、職場は病欠の発生で欠員が出ても、業務を回す責任もあります。
そして、十分に休んだうえで、再発を防ぐため、なぜ「その時の自分は休めなかったのか。」振り返りましょう。
今は昔のように残業、休日返上の働き方は美徳ではなくなりました。
「ちゃんとやって、ちゃんと帰ろう。」の時代です。
そんな時代に残業しても「仕事を終わらせられない無能。」扱いされます。
そして、今は労働基準法により、時間外労働は年720時間、単月では休日労働とあわせて100時間未満までと制限され、それ以上の残業は違法となります。企業が従業員に残業規制するのはもちろんですし、個人が勝手に残業しても、企業が罰を受けます。
「休まない」ということで得られるものは個人も企業も何もなく、むしろ失うもののほうが多いのです。そう割り切って、休むようにしましょう。