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休職中に思い出す言葉⑦ ~「1:2:7の法則」~

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 この記事ではメンタルヘルスの不調で休職中の自分が、よく思い出す言葉をシリーズで書いていきます。7つ目として取り上げるのは「1:2:7の法則」です。

人間関係における「1:2:7の法則」 

 この「1:2:7の法則」というのは、自分が属しているコミュニティにおいて、「自分を嫌うのは全体の1割、自分を好きで居てくれるのは全体の2割、その他の7割は中立。」という、人間関係における法則です。
 もともとはユダヤ教の教えであり、アドラー心理学の『嫌われる勇気』にも触れられています。

10人の人がいるとしたら、そのうちの1人はどんなことがあっても
あなたを批判する。
あなたを嫌ってくるし、こちらもその人のことを好きになれない。
そして10人のうちの2人は、互いに全てを受け入れ合える親友になれる。
残りの7人は、どちらでもない人々だ。

(出典)ユダヤ教の教え『嫌われる勇気』より

 性格や考え方は一人一人違うのが当然です。その中にあなたと合う人、合わない人がいるということです。全員が「あなたと合う」わけでも「あなたと合わない」わけではない、ということを認識できました。

 個々の人間関係において、自分を「必ず嫌う人」は少数ですがいます。
 全員に好かれようとすると、少数の「必ず嫌う人」をどうにかしないといけません。
 ただ、他人の考え方は基本的に変えられません。好かれようとしても罵声を浴びせられたりします。無茶な要求も受け入れてどうにもならなくなったりもします。
 それでも無理やり好かれようとすると、自分のメンタルを削り、メンタルヘルスの不調をきたすことにも繋がります。メンタルヘルスの不調に陥るほど苦しんでまで「必ず嫌う人」に好きになってもらう必要はないと思います。 

 それよりも「必ず好いてくれる人」がいること、そしてそれは嫌う人の倍いるということに目を向けたらいいと思います。もし嫌いになる人から何らかの攻撃を受けたら、好いてくれる人を頼って、対処することも可能になります。
 「好いてくれる人を大事にする」ほうが、「必ず嫌う人に好きになってもらう」よりも明らかにエネルギーを使わなくてすみます。

傷つきやすい人は中立の7割を味方だと思おう

 精神科医の樺沢紫苑さんの本「ストレスフリー超大全」の中でも「1:2:7の法則」が書かれています。

「嫌い1、好意2、中立7」。これを「好意の1対2対7の法則」と呼びましょう。この「サイレントマジョリティ(物言わぬ多数派)」は、積極的な意見は出しませんが、自分をフォローしている人たちです。だから、明らかに好意です。「中立」は、プチ好意派と考えて良いのです。

 すると、あなたを嫌い、批判する人を1人いる場合、あなたを応援している人は9倍もいるわけです。

(出典)樺沢紫苑著 『ストレスフリー超大全』

 こういう見方をすると、嫌いな人と対峙するときでも、「プチ好意派も含め」大量に味方がいるように思えてきます。2倍味方がいるだけでも心強いのに、9倍だと相当強力です。
 特に人間関係において繊細な捉え方をする人にとっては心強くなる考え方だと思います。
そして、この中立の7割もあなたの振る舞いによって、現実的に「好意派」に変わってくれます。

場合によっては好き2割、嫌い8割になることも

 ただ、自身の振る舞いによっては中立の7割が嫌いに移ってしまうこともありえます。
もし、自身の振る舞いに問題があれば、即原因を突き止めて改善しましょう。 

 また、コミュニティの価値観と自分の価値観が全く合わないことで中立の7割も嫌いにうつることがあります。そうなってしまったら、コミュニティの価値観と自分の価値観をすり合わせることで解決することもあります。
 また、どちらの価値観もいい悪いと判断できるわけではありません。
 万が一価値観のすり合わせが無理であれば、そのコミュニティはあなたとは合わなかったと思って、逃げるのも選択肢の一つです。

ただ、逃げたことによるデメリットは自身の責任として、受け入れましょう。

好き2割、嫌い8割を覚悟する時

 あと、どうしても中立の7割が嫌いに移るかも知れないことを覚悟しなければいけないときもあります。それは、不正の指摘など、コミュニティの既存の価値観に反する意見を持ち出すときです。

 自身の意見に自信を持っていれば、ついてきてくれる人もいるでしょうが、大抵は既存の価値観に反することは抵抗が強いです。それを考えると、既存の価値観に反する意見をするときには、「中立の7割が嫌いに移る」ことを考慮する必要が生じます。 

 ただ、それでも中立の7割が嫌いにうつることを受け入れた上で、自身の意見に「正しい」という自信があるのであれば、腹をくくって主張しましょう。「あの時反対を押し切ってでも言うべきだった」と後で思っても、自分が後悔するだけです。

 僕も経験ありますが、実際に自身の意見を主張しても嫌い8割になることはまずないです。

まとめ ~中立の7割の捉え方は自分次第~

 以上で「1:2:7の法則」について、自分の解釈を書いていきました。まとめると、

  • 人間関係における「1:2:7の法則」は自分のことを好きになる人も嫌いになる人もいる、そして中立も多数いることを意味する。
  • 嫌いの1割を何とかするよりも、好きの2割を大事にする。
  • 中立も「プチ好意」と思うと、勇気が出る。
  • 自身の振る舞いによっては好き2割、嫌い8割になることもある。
  • 何か意見をするときには好き2割、嫌い8割も覚悟する。

 ということになります。

 結局中立の7割は自分の振る舞い次第だと思います。
 ただ、普通のふるまいであれば、中立の嫌いが全員嫌いに回ることはありません。
 通常は「中立も好意派」と思っておくのが健全な考え方だと思います。 

 でも、時として「中立は嫌いに回る。」ことも片隅に置いといてください。
 それが、自分の振る舞いを自制することにもつながります。

 さらに言えば、中立が嫌いに回っても意見するときもあります。
 それでも、全員が嫌いというわけでなく、2割は同調してくれると思いましょう。
 味方の2割を上手に使いながら、本当に正しいことを主張していけば、嫌いに回った中立派が好きに変わってくれると思います。

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