この記事では、発達障害の診断を受け、メンタルヘルスの不調で休職中のdobbyが、発達障害のあるあると、それに関わるライフハックを考えた記事になります。
今回は「家計管理」についてです。この記事では家計簿の付け方、節約の考え方、資産形成の仕方について書いていきます。特に家計管理がめんどくさくてうまく行かないと思っている方には参考になる記事だと思います。
僕自身は一応、世間的に名の知れた企業に20数年つとめていました。そして、一人暮らしを続けており、家庭・子育てにかかる費用は特になく、基本的にお金を好きなように使っていても減ることはありませんでした。
しかしながら、メンタルヘルスの不調に陥り、休職する事態となると、毎月の給料は当然減ります。さすがに好きなようにお金を使うということは出来ません。
そして、復職できずに退職となると、場合によっては無職の期間も長くなることは考慮しないといけません。その間の収入は厳しいものになります。
そうなると、自分でコントロールできる家計管理の重要性はますます増していきます。以上のことを契機に家計管理について取り組むようになりました。
発達障害の人のお金のトラブル
家計管理を取り上げる前に、発達障害の特性のある人がどのようなお金のトラブルに巻き込まれがちなのか、書いていきます。
- 毎月どの程度お金がかかるのか見通しが立てづらい
- 生活費が足りなくなる
- 衝動買い、無駄遣いをしてしまいがち
僕の経験を振り返ってみると、幸いにして生活費が足りなくなるということはなく、また、収入も十分にあったため、「毎月どの程度お金がかるのか?」を真剣に考えなくても困ることはありませんでした。
ただ、無駄遣いは結構していたように思います。
- お金はあったらあっただけ使ってしまう。
- ストレス発散のための旅行・飲食・風俗などの浪費が止まらない。
- レア武器が欲しくて大量のゲーム課金。
なので、休職して収入が減って、「お金の無駄遣いは見直そう。」と思った次第です。
家計簿をつけよう
「無駄遣い」の対策としては、最初に「1ヶ月何にどれだけお金を使っているか」を把握することになります。とりあえず1ヶ月家計簿をつけてみて、どんなことにお金を使っているか見えるようにしてください。何を節約するかという具体的な対策はその後です。
「1ヶ月何にどれだけお金を使っているか」というのは、定型発達の人でも記録をとらないと難しいです。発達障害の特性を持っている人が何の記録もなくイメージするのはほぼ不可能です。
家計簿はめんどくさい
とりあえず「家計簿をつけよう」と言いましたが、発達障害の特性のある人にとって「家計簿をつける」というのは至難の業です。
発達障害の特性のある人にとって「支出の内容を逐次帳面につける」行為が苦行だからです。まず、間違いなくレシートを失くします。これだけでやる気を失います。さらに、帳面に書き写すという手間も面倒です。
めんどくさい対策① ~クレジットカードに一元化~
別の記事で紹介した『発達障害サバイバルガイド』の本の中で、「日常の支出をクレジットカード1枚に絞る」という方法が推奨されていました。
確かに、支出の記録はカード利用明細の中で行われるので、現金支出よりもクレジットカードに一元化したほうが内容の把握ができるのは確かです。
しかし、実際にはクレジットカード決済が出来ない場面はそれなりにあります。例えば病院などの医療機関だと現金以外の決済ができない(少なくとも僕のかかりつけは全部そう)だったりします。なので、この方法はそこまで万能ではないと思います。
めんどくさい対策② ~家計簿アプリの活用~
僕は、現金、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済といろいろな決済方法を使うので、すべての支出に連携して記録できる家計簿アプリを使っています。
代表的なものについては、【2022年】家計簿アプリのおすすめランキング4選|人気アプリを徹底比較 | 360LiFE [サンロクマル] (shinyusha.co.jp) を参照ください。
ちなみに僕は『マネーフォワード』を使っているので、以下『マネーフォワード』について書いていきます。機能の概要は家計簿アプリ『マネーフォワード』使い方完全ガイド。口座連携もバッチリ! -Appliv TOPICS (app-liv.jp) を見てください。
- 銀行のネット口座やクレジットカードと連携することで、口座引落、カード使用明細のデータを反映することが出来る。
- 現金やQRコード決済の場合、「レシート読み込み」でレシートを撮影するだけで、支出の内容を記録することが出来る。
- レシートがない場合でも、簡単に手入力することが出来る。
- 費目ごとの支出額がわかり、予算管理も出来る。
- 自分の財布も家計簿アプリ登録することが出来、手持ち現金のチェックがスマートフォンで出来る。
→店に入って財布をあけてみてお金が入っていないという
ことがなくなる。
記録の手間はクレジットカード1枚に絞るほうが勝りますが、網羅性では家計簿アプリのほうが優れています。クレジットカード以外の決済への対応も慣れれば楽にできます。
「外出先で手間なく記録できる」というスマートフォンの特性がフルに発揮され、簡単に家計簿を作成することが出来ます。
でも、記録するという手間は残ります。この手間は習慣化することで乗り切りましょう。例えば、「レシートをもらったらすぐに撮影する」というようにif-thenプランニングを活用していくのが有効です。
僕は1年近くマネーフォワードを使っていますが、帳面に記録するよりはるかにラクなので、継続して家計簿を作成することが出来ています。
節約はゲーム感覚で
家計簿を1ヶ月つけていくと、大体どこにどれだけお金がかかっているか分かると思います。そして、特に節約しなければならないポイント、無駄遣いの傾向が見えてきます。
無駄遣いの傾向が見えたら、その費目をターゲットにして節約目標を決めましょう。 目標の設定については、スモールステップの考え方を取り入れ、「少し頑張れば出来る」くらいに設定するのが丁度いいです。
目標を設定したら、節約の実行です。節約はゲーム感覚で楽しみながらやりましょう。
節約することは、今までのお金の使い方を見直しながら、工夫することで我慢することなく生活を送ることにも繋がります。節約を我慢や苦行と思わず、ゲームの攻略法を発見するような感じで工夫していきましょう。
例えば日常の買い物だったら、近くのスーパーが安いのか、ちょっと離れたドラッグストアのほうが安いのか、それとも100円ショップのほうがいいのか、いろいろ比較してみたりすることを楽しみましょう。
特に発達障害の「こだわり」特性を持っている方だと、一つ一つの比較でものめり込んで調べて、楽しめると思います。(ただ、くれぐれものめり込みすぎ注意ですが。。。)
強制的積立で資産形成
節約して支出を見直し、収支が黒字になったら資産形成を考えましょう。
発達障害の特性のある人は「あればあるだけお金を使ってしまう。」傾向にあるので、収支が黒字になったら、支出を増やしがちです。
また、発達障害の特性のある人は、定型発達の人よりも「将来、お金に困るリスク」が大きいと思います。たとえ安定した働きやすい職場に務めていても、自分の状態が不安定なので、働けなくなるリスクを常に抱えることになります。いつどんな原因で無収入に陥るか、本当にわからないのです。
なので、収支が黒字になったら、ある程度の金額を優先的に資産形成に当てましょう。収入が入ったら、いの一番に自動積立して、自分の目の前からはなれたところにお金を移動させて資産形成しましょう。
積み立てる金額は、黒字分にとどめましょう。無理して資産形成のお金を捻出しても、生活費が足りなくなったら元も子もありません。実績をベースに無理のない金額を設定しましょう。
僕は会社の制度で財形貯蓄や社員持株、企業の確定拠出年金を活用しています。給料天引きで強制的に積み立てられますし、取り崩すにしてもにめんどくさい手続きがあります。なので、ほとんど手をつけずに資産形成が出来ます。
それ以外にもiDeCoやつみたてNISAなどの手段があります。また、投資信託などでも毎月積立られる商品もあります。保険にしても貯蓄型保険で長期的に積み立てるものがあります。
このような、引き出せない(もしくは引き出すのに面倒な手続きがいる)、かつ毎月積み立てる金融商品を活用して、お金のある時に将来の資産形成を行いましょう。
まとめ ~家計管理もパワーをかけないこと~
以上、発達障害の特性のある人の家計管理について書いていきました。まとめると、
- 家計簿は記録の手間の少ないアプリの活用
- 節約は楽しみを見つけて我慢しない方法を考える
- 資産形成のお金はいの一番に引き落とす
ということになります。
共通しているのはなるべく無理しない、なるべく我慢しない、なるべくパワーをかけないです。どれも、めんどくさくなって続かなくなったら元も子もないので、目標設定のところで話をしたスモールステップで、少しずつやっていけばいいと思います。
大事なのは続けることです。お金がたまることで、将来の不安がちょっとずつ軽減されます。不安が軽減されると心の余裕も出てきて、いろいろな選択肢を考えられるようになります。自分のために、家計管理を実践していだだければと思います。