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休職中に思い出す言葉⑤ ~ニーバーの祈り~

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 この記事ではメンタルヘルスの不調で休職中の自分が、よく思い出す言葉をシリーズで書いていきます。5つ目として取り上げるのは「ニーバーの祈り」です。

 日本では「平静の祈り」、「静穏の祈り」とも呼ばれます。

ニーバーの祈りとは

 この祈りの言葉は以下のとおりです。

神よ、

変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。

変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。

そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。

ラインホールド・ニーバー(大木英夫 訳)

 

 似たような表現は昔から存在していたようです。しかし、アメリカの神学者、ラインホールド・ニーバーが1943年の夏にマサチューセッツ州西部の山村の小さな教会で説教したときの記録中に出てくるのが、文献に出てくる初めての事例です。

 この祈りの言葉がアメリカ軍兵士に広がり、戦後にはアルコール依存症克服のための支援組織のモットーにも採用され、世界中に広く知られるようになりました。

ニーバーの祈りの言葉の意味

 ニーバーの祈りの言葉の意味と関連するものとして、下記の記事も見ていただきたいと思います。

休職中に思い出す言葉④ ~過去と他人は変えられないが、自分と未来は変えられる。~  この記事ではメンタルヘルスの不調で休職中の自分が、よく思い出す言葉をシリーズで書いていきます。  4つ目として取り上げるのは「...

変えることのできるものを変える「勇気」

 まず、「勇気」について考えてみます。

 先日の記事でも取り上げましたが、過去と他人は変えられません。
 そうなると、変えられるものは自分ということになります。

 ただ、自分を変えていくのも大変です。 

 自分を変えていくということは、自分の考え方の悪い癖(ネガティブ思考、自分を責めたり否定すること、など)を少しずつでも矯正していくことになります。

 しかしながら、この考え方の悪い癖は長年の自分の人生経験、すなわち過去の出来事の捉え方を基盤にしています。長年の自分の人生経験は自分の価値観を形成する土台にもなっていますので、これを矯正していくのは骨の折れる作業です。

 特に僕の場合、変化を嫌う傾向が強く、自分を変えようとしても挫折してしまいがちです。

 自分を変えていくための勇気、僕も欲しいです。

変えることのできないものを受け入れる「冷静さ」

 次に、「冷静さ」について考えてみます。

 過去のことや、他人の言動など、自分ではどうにもならないことが原因で、自分の状況が苦しくなることもあります。

 ただ、過去や他人という、変えられないものに対してあれこれ考えても、結局何も変えられないのだから無駄です。

 変えられないものは一旦受け入れて、そこから自分に出来ることを考えるほうが将来にとって有益なのだと思います。

僕の場合は、今の状況について、変えられない過去のせいにして嘆いたり、他人が変わらないことに腹を立てたりしていました。
今は精神的に落ち着いていますが、またこういう気持ちがどこで出てくるかわからないです。

 変えることの出来ないものを受け入れる冷静さ、僕も欲しいです。

変えられるものと変えられないものを識別する「知恵

 最後に「知恵」についてです。

 ニーバーの祈りの順番で最後になりましたが、僕は自分を変えていくうえで、「知恵」を身につけることが一番最初にする行動だと思います。

 まず、「自分の何を変えることが出来て、何が出来ないのか?」それを見極めないと、何も変わらないと思います。変えられないことを変えようとすることに精力を注ぎ、さらに状況を悪化させることにもなりかねません。

 自分が変えられるものを識別する知恵、僕もほしいです。

まとめ

 以上で自分の現状を考えつつ、ニーバーの祈りの意味について考察してみました。

 休職していろいろなメンタルヘルスの本を読んでいるのですが、同じような考え方はそこここに見られます。

 僕は、休職中に自分の振り返りをして、「自分の何を変えたらいいのかを識別する知恵」はある程度身についたと思います。

 ただ、残りの2つ「勇気」と「冷静さ」についてはまだまだだなぁとも思います。

「勇気」と「冷静さ」が必要だという「知恵」は身についているのですが、実践が難しい。。。

 特に欲しいのは「勇気」ですね。

 行動する勇気、決断する勇気、いままでのことがとらわれとして残っており、なかなか背中を押してもらうような勇気を持てないです。

 特に自分のこれからの人生を決める、復職・退職の決断をする勇気が持てないのです。

 そんな、自分の人生の決断を一押する勇気が一番欲しいなぁと思いました。