メンタルヘルス

「謝りたくない」心理と発達障害の関連

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 ここでは謝りたくない心理と発達障害の特性との関連について書いていきます。

 「謝りたくない」心理については、下記記事を参照ください。この内容と関連付けて発達障害の特性が与える影響を書いていきます。

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「謝りたくない」心理にかかわる発達障害の特性

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 あくまで僕の経験で感じることですが、特に謝りたくない心理にかかわると感じる困りごとは以下のとおりです。

ASDの特性

謝りたくない心理にかかわるASDの特性
  • コミュニケーション及び相互関係の障害
    →人の気持がわからず、迷惑をかけていることが認識できない
     ため謝る理由を感じない。
     また、他人に共感できないため、相手の大変さを理解し、その
     感情に寄り添うことが出来ない。
     そのため、謝る行動をすることが理解できない。
  • 同一性へのこだわり
    →謝って非を認めてしまうと、自分の行動を変えないといけない
     と思い、謝ることに抵抗を感じる。

 ASDの特性があることによって、

  • 他者がどう言おうとも、自分は正しい。
  • 自分が正しいのに「謝る」ことの意味がわからない。
  • 謝ることで、自分の行動が制限される

 と思いこんでしまうように感じます。
 さらにその思い込みもこだわりがあって頑固なため、謝らないということに繋がります。

ADHDの特性

謝りたくない心理にかかわるADHDの特性
  • 衝動性
    →後々の影響を考えずに、その時の感情だけで「謝らない」判断
     をしてしまう。
  • 不注意
    →ミスやトラブルを引き起こすことが人より多く、周囲の目が

     厳しくなってしまうことで、謝ることの心理的負担のハードルが
     上がる。

 ADHDの特性については、繰り返し過ちを犯してしまうこと、短絡的に考えてしまうことが悪さをして、他者がだんだん自分に寛容にならなくなることがどうしても出てきます。

 最初は大目に見ていても、だんだん「謝っても許してくれない。」ことが出てきます。

 周囲が許してくれないことに対して、面白くない感情を自分が抱くため、謝ることができなくなってしまうことを感じます。

 結局、発達障害の特性で謝ることが苦手になってしまい、抵抗を感じるのではないかと思います。多くの場合、「謝りたくないから謝らない」ということではないと思います。

「謝りたくない心理」を生む特性の対策

 発達障害の人にとって、謝ることは大きな一つの課題です。

 特にASDの「人の気持ちがわからない。」特性により、謝る理由を感じないことが一番の問題であると感じます。

自分の「謝りたくない」心理に気づく

 まず、人から怒られたり、責められたりした時に「謝りたくない」心理に気がつくことが大事だと思います。

 謝りたくない心理に気が付かないと、感情の赴くまま怒ってしまったり、意味もなく頑なになってしまいます。

 自分が「謝りたくない」と気がつくことにより、「どうして謝りたくないんだろう」ということを冷静に考えるようになります。

 これは、「人の気持ちがわからない」特性への対応というより、「謝りたくない」気持ちをすぐに表に出してしまうというADHDの衝動性の対策になります。

謝る目的を理解する

 別記事で書きましたが、謝る目的は、

  • 迷惑をかけた他者に対する関係の維持や修復を図る。
  • 自分自身に降りかかる悪い影響を最小化する。

 というところにあります。そして、この謝る目的を達成するため、

  • 他者に迷惑をかけたという事実を認める。
  • 迷惑をかけた他者に対する誠意・気遣いを表す。
  • 今後の良好な関係への回復、再構築への具体的な施策を提示する。

 ことが必要となります。実は、謝るとなった場合に、自分が正しいかどうかというのはあまり表に出てきません。 必要であれば自分が正しくても謝る場合があります。

 謝る目的が頭に入っていると、「謝らない」という自分のこだわりから少し解放されて、自分が利益を得るための適切な行動を取れると思います。

謝ったほうがいい場面を論理的に覚える

 上記のことを話をしましたが、ASDの特性の「人の気持ちが分からない」ということがあると、自然に「謝る」気持ちを持ちにくいです。

 定型発達の人だと人の気持ちが分かったり、空気が読めたりするので、必要に応じて謝るという行為が自然とできるのですが、そう簡単にはいかないのが発達障害の特性のややこしさです。

 人の気持ちが分からなければ、どのような時にどのような気持ちを人が抱くのかを覚えなければなりません。具体的には、

  • その場に有る暗黙の了解
  • 他者(特に定型発達者)が不快に感じること
  • 自分自身の言動が他者に及ぼす影響

 などを他者との関わりの中で、パターン化して覚えていくしかないと思います。

 一つずつ覚えて、「謝る」ことに慣れていくしかないと思います。「人の気持ちがわからない」以上、頭で覚えるしかないのです。

 一番ベストなのは、論理的に謝る理由を他者から説明してもらうことです。自分一人で悩んでいてもわからないものはわからないので、正直に話して、協力をお願いしましょう。

まとめ ~すぐに謝るのもだめ~

 以上で、謝りたくない心理と発達障害の特性との関連について書いていきました。まとめると、

  • 謝りたくない心理に発達障害の特性が影響する。特にASDの特性は直接的に影響する。
  • 「人の気持ちがわからない」など発達障害の特性に起因する「謝りたくない心理」の対策は、論理的に覚えること

 ということになります。 

 最後になりますが、「謝りたくない心理」を持っていると人間関係を毀損するなどのデメリットがあるのは事実です。特に、「謝りたくないから謝らない」のではなく、「謝ることに抵抗感が有る」場合、本音と実際の行動が食い違って、精神的に苦しみます。

 ただ、だからといって、何でもかんでもすぐに謝ってしまうことも良いことだと思いません。同じように衝動的な行動であるし、本音と実際の行動が食い違う場合があります。

 すぐに謝る心理も取り上げようと思いますが、すぐに謝ることをしないことでも、論理的に覚えることが必要だと思います。

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