この記事ではメンタルヘルスの不調で休職中の自分が、障害者職業センターでのリワーク(復職支援)プログラムを受けている経験談を書いていきます。特にこれからリワークを受けようとしている方は、この内容が参考になると思います。
僕は2022年3月より3ヶ月間、リワークプログラムを受けています。 プログラム受講までについての内容は以下記事を参照ください。
リワーク受講開始から、復職に至るまでのスケジュールは以下のとおりです。
- 3月上旬:リワークプログラム開始
- 4月中旬:職場への中間報告
- 5月下旬:職場への最終報告・復職面談
- 6月上旬:リワークプログラム終了→復職
この記事では、最初の1ヶ月間について、実際に受けたプログラム内容とそれに関する感想、気づき事項を書いていきます。
通所スケジュール
僕の場合、最初の2週間は週3回(月・水・金)、そのあとは平日は毎日施設に通所しています。時間は、毎日10時~15時までです。
ただ、周りの人の傾向をみると、3週間目から平日毎日施設に通う方は少なく、増やすにしても週4日にするなど、段階的に通常ペースに戻していく方が多いようです。メンタルヘルスの不調に陥ったということで、体力・気力の様子を見ながらという感じですね。
僕は、以下の理由で敢えて平日は毎日施設に通うという選択をしています。
- 生活リズムが構築されていて毎日通所が問題ないこと。
- 家にいても、ひとりでずっと考え事をしている、TVを見てしまうなど気は休まらないだろうということ。
- 復職という共通の課題を持つ人と一緒にいることが、精神的にいい影響を与えること。
でも、家帰ってもいろいろやることがあるので、施設に通うのも疲れますね。。。
プログラムの内容
最初の1ヶ月は軽め
スケジュールでも書きましたが、前半はあまり負荷をかけないという方針があります。時間もそうなのですが、精神的に負荷のかかる講習内容や休職の原因の振り返りなどの課題は後半に集中しています。
最初の1ヶ月は、生活リズムを整えること、それを習慣化して定着することが課題でした。
講習
最初の1ヶ月は軽めといいつつも、いくつか講習も受講しています。
雰囲気は普通の職場研修と同じような感じです。
初歩的なところ、概略的なことが講習の課題となります。スタッフの方の話を聞くだけではなく、ワークシートの作成や参加者とスタッフの方とのやり取りもあります。
さらに深く学びたいことがあれば読書の他、スタッフの方と相談の上、追加講習を受けることが出来ます。
生活習慣化ミーティング
前半(6周目)までは、毎週金曜日の午前中に、生活習慣の改善について、各自が1週間の成果を発表し、みんなで意見、質問をしていきます。
課題を発表することで生活習慣化の活動の動機づけになります。また、他の参加者の話を聞いて、いろいろな意見交換が出来るのでためになります。何より、同じ悩みを持つ人と話すということが自分にとってはストレスが軽くなるので、人との交流は本当に大事だなと感じます。
「気がついたことを話す。」ことや「気が付かなかったことを聞きながら自分に取り入れることを考える」という、復職後の職場でも必要なコミュニケーション技術を身につけることにも役立ちます。
自主課題
残りの時間は自主課題にあてられます。
- 読書 :ストレスや体調管理、働き方など、復職に向けた
関連事項の学習。 - 新聞要約:新聞の内容を理解し情報を整理するスキルを確認。
- 事務作業:復職後のデスクワークを想定した数値確認や書類作成。
全ての自主課題に共通しますが、集中力・疲労の具合を確認し、今の自分の状態を把握していきます。そして、一連の作業の中で気づいたことをアウトプットをしていきます。
- 読書 :読書感想・気づき事項
- 新聞要約:新聞要約・感想
- 事務作業:作業進捗・ミスの内容と改善方法
その内容はスタッフの方に提出し、必要に応じて面談などを行っていきます。
提出物・報告事項
家にいるときと違って、リワーク期間中は行き当たりばったりの行動をすることは出来ません。自分で決めたスケジュール通りに過ごし、自分の状態を把握しつつ、当日の課題の進捗についてはスタッフの方に提出・報告し、共有していきます。
- 始業前:毎日体調、本日の予定の報告
- 終了後:課題についてのアウトプットの報告
- 毎週 :1週間の生活記録表の提出(月曜日)
生活習慣化の行動の進捗状況の報告(木曜日) - 2週間毎:今後2週間の作業スケジュール提出
職場での仕事を想定した過ごし方にだんだん近づけていくことになります。
スタッフとの面談
スタッフの方は提出物や講習の様子などを把握した上で、必要に応じ参加者と面談を行います。場合によっては参加者からの要望で面談が行われることがあります。
面談では今後の方針の共有やスケジュールなどの相談・アドバイスが行われます。
まとめ ~職場復帰へのリハーサル~
以上で、僕のリワークプログラムの最初の1ヶ月の体験談を書きました。
- リワークプログラムの序盤は生活リズム確立を目標に、通所に慣れていく。
- 講習、ミーティング、自主課題を通じてアウトプットを報告していく。
- リワーク施設のスタッフとやりとりしながら今後の方針を決めていく
がまとめになります。
僕はリワークプログラムを受ける全ての時間が、復職準備に対してのリハーサルになっていると思いました。
スタッフさんにいろいろな報告をすること。
スケジュールを自分で考え決めること。
困っていることがあれば相談すること。
作業に集中すること。
疲労を感じたら自分でコントロールすること。
相手を尊重しながら自分の意見を表明すること。
などなど、自分が休職前に出来ていなかったことを一つ一つ出来るように近づける訓練をしているのだと感じました。日常の些細なことでも何らかのリハーサルにつながっています。
講習終了後に、スタッフの方から「サーキュレーターの風があたって寒くない?」とスタッフの方に言われて、「寒いですね。」と言ったら、「どうして寒いって言わないのよ!これも要望する練習よ!」と言われました。
今後は中間報告、最終報告と職場とのやり取りも出てきます。
そのための報告書の作成もしなければいけません。講習の量も多くなっていきます。
今の自分の状態で不安なことだらけですが、それも復職後のリハーサルと思って臨んでいけばいいのかなと思っています。
今後もリワークプログラムの体験談について、載せていきたいと思います。
2ヶ月目以降の体験談はこちら参照ください。
最後になりますが、以下の書籍にリワークの内容が記載されています。(著者の方は日本で始めてリワークプログラムを提唱した方です。)ご参考までに読んでいただければと思います。