この記事では復職面談についてのdobbyの体験談を書いていきます。
復職面談とは
復職面談は、メンタル不調で休職中の社員が産業医や人事、職場の上司と復職へ向けての話し合いを行う場です。復職面談を通じて、産業医の見解を参考にしながら、会社としての復職可否判断を行います。
復職面談のチェックポイント
会社が復職可否の判断するにあたって、以下のことを見ているということを、復職面談を受けて感じました。
- 復職意欲があるか?
- 始業時間に出社できるか?
- 所定就業日、所定就業時間に勤務できるか?
- メンタルヘルス不調の再発、再休職のリスクがないか?
- 主治医は復職にOKを出しているか?
一言でいうと「長く安定して働けるか?」を見極める目的があります。
従って、復職面談を受ける立場としても、そのことを念頭に置いて準備する必要があります。特にメンタルヘルス不調の再発、再休職のリスクは職場としてもかなり気にするところなので、準備に一番時間をかける部分となります。
dobbyの復職面談
僕の場合は、リワーク終了後、以下の日程で面談が行われました。
- 2022年6月初め リワーク最終報告
- 2022年6月末 再報告
- 2022年9月 復職面談
正式な復職面談は9月実施のものになるのですが、これは過去の経緯を踏まえた形式的なものであり、実質的には6月の面談を含め3段階あったと思っています。
2022年6月初め リワーク最終報告
下記記事でも最終報告について触れておりますが、リワーク終了時に障害者職業センターのカウンセラーの方に同行いただき、最終報告をします。
その際に、以下のことを報告しました。
- 現状報告(体調・気分・通所状況)
- 休職に至った要因の振り返り
- リワークプログラムで学んだことをどのように活かすか?
- 職場復帰後の再発防止策・職場への要望事項
- 職場復職への意欲
こちらで作成した文書にもとづいて報告していき、質疑応答を経て、復職可否判断をすることになります。
僕の場合は、発達障害の特性に基づく困りごとが休職に至った要因になっていたことがあったので、それを中心に報告しています。
この質疑応答の中で、職場の上司より、以下の指摘がありました。
- 休職前の人間関係、特にアシスタントの方の提案を断ったことについて、相手の心情を考えているのか?
- 困りごとは過去からあり今までも解決できるチャンスがあったはず。なぜ解決できていないのか、そして、今回の報告をすればそれは解決できるのか?
結局、この指摘内容が宿題となり、この場では復職可の判断が出ませんでした。
ちなみに、通常はリワーク終了後に即復帰となるケースが多いです。
2022年6月末 再報告
先の宿題事項について、センターの方と相談し、回答書を作成した上で、6月末に再報告をしました。再報告の場には障害者職業センターの方は同行しなかったものの、報告書の添削支援を受けて、準備を進めていきました。
リワークの最終報告で終わりではなく、最終報告後も下記記事の通り面倒を見ていただきました。
宿題事項の回答は以下の通りです。
- 休職前を振り返り、提案を受け入れる余裕がなく、尊重しない言動を取った事実を認めた。その上でコミュニケーションの課題の解決や仕事のやり方の見直しを実施することを回答した。
- 発達障害の様々な特性の影響を無理に直そうとして習慣が身につかなかったと回答。そのうえで、少しずつ改善を定着させることを表明した。
職場の上司は、報告に対し懸念を抱いておりましたが、産業医の先生の口添えもあり、
ここで、実際に復職可の判断が下りたように思います。
ただ、今後のスケジュールについては、職場側の調整事項として決められておらず、スケジュールの確定までは宙ぶらりんの状態でした。
実際に復職への具体的なスケジュールの連絡があったのが7月下旬でした。こちらから打診していいものかどうか、すごく思い悩んでいたことを思い出します。
2022年9月 復職面談
実際の復職日が近づき、正式に就業規則上定められた、産業医による復職面談を行いました。
復職に至っては、最終報告や、過去の自分の書いたものを読み返したりして、面談準備をしたほか、体調や生活リズムを整えることにも留意しました。
ただ、当日は、すでに再報告で復職に向けて動いていたこと、体調や生活リズムも事前の産業医面談で問題ない評価を得ていたこともあり、形式的なもので終わりました。
最初は僕と産業医の面談で生活状況の確認があり、そのあと、僕が席をはずして産業医、上司、人事部門との打ち合わせがあり、最後に再び僕も入って、その場で正式に復職可の判断が下りました。
その間は30分もなく、ホッとしたとともに拍子抜けしたのが正直な感想です。
復職面談で気をつけたこと
上記の復職面談の過程の中で、僕が気をつけたことが3つあります。
不安は隠さない
復職したいあまり、「もう大丈夫です」「頑張ります」「なんでもやります」とか自己アピールする方がいるのは聞いたことがあります。
もちろん、復職にあたって働く意欲は大事なので、それをアピールすることは必要だと思います。ただ、不安を置き去りにして、無理にアピールすると、復職後に再休職のリスクが高まると思いました。
無理にアピールすることで、「復職したからには無理にでも頑張らないといけない」と思うことが一番怖かったです。
発達障害の特性が困りごとにつながる不安、長期間職場を離れていることへの不安、他の人にどう思われるかの不安など、不安はあって当たり前だと思ったので、今感じている不安は隠さないようにしていました。
言い過ぎない
「不安は隠さない」と先ほど言いましたが、だからといって、不安を言い過ぎてしまっても、自分にとってのメリットにならないように思います。
不安を言い過ぎてしまうと、職場に対する配慮を強く求めてしまったり、配慮があって当然といった態度が出てしまうことにつながります。職場も職場の都合がありますので、ある程度相手の立場を考慮した態度も必要だと思います。
この記事を書くにあたって、あらためてリワークの報告文書を読んでいますが、 最初は職務に対する拒絶感とか、復職に関する強い不安など、言い過ぎた表現をしていたことを スタッフの方に修正されたことを思い出しました。
感謝の意を明らかにする
報告文書を作成中、スタッフの方に「休職に専念できたことの感謝は明らかにした方がいい。」と言われました。
最初はそういう気持ちにならず、そのようなことを文書に織り込んでいませんでした。
休職したという事実、休職前の職場の状況が辛かったので、どうしても被害者意識が出てきてしまいました。 結果として自分が他者に迷惑をかけたということが頭になかったように感じます。
現実的には仕事を放り出して迷惑をかけたのは事実です。それをカバーしていただいたのは職場に残ったメンバーです。その事実に目を向け、感謝の意を明らかにするのは大事なことだと思いました。
どちらかというと気をつけたというより、スタッフの方に言われてそうした感もありますが、気づきも多かったと思います。
まとめ ~面談の過程で少し変わったかも~
以上で、復職面談につき、dobbyの体験を踏まえ書いていきました。まとめると、
- 復職面談では「長く安定して働けるか?」「休職の振り返りと対策は出来ているか」をチェックされる。
- 意欲をアピールすることは大事だが、無理せず不安も隠さない。
- 被害者意識を持たない、相手への感謝の意を明らかにすることも大事。
ということになります。
復職面談を振り返るに当たり、いろいろな方との相談、ご支援があってここまできたことを改めて感じます。
自分一人で復職という課題に立ち向かうのが大変で、特にリワークのスタッフ、カウンセラーの方には本当に助けられたと思います。
この記事を書くにあたって、リワーク最終報告後に書いた職場との関係を見返しました。
実際、休職前は仕事に後ろ向きですし、今も復職にむけての動機は正直低いままだと思っています。ただ、被害者意識からは少し脱してきたようにも思います。
これも、復職に向けていろいろと準備したからかもしれません。
僕の経験談は一つの例であり、個々の事情によって復職への進み方は異なると思います。それも踏まえて、参考にしていただければと思います。