メンタルヘルス

習慣化の手法:スモールステップ

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 発達障害の診断を受けたdobbyが「習慣化」の技術について書いていく記事となります。ここでは、発達障害の特性を持つ人が、習慣化を身につける技術として有効な「スモールステップ」の考え方を紹介します。

 習慣化やそのメリットにつきましては、下記記事も併せて見ていただければと思います。

発達障害と「良い生活習慣」の習慣化  この記事では、発達障害の診断を受けたdobbyが良い生活習慣の「習慣化」に取り組むことについて、自分の考えを書いていく記事になります...

スモールステップとは

 習慣化の行動で、僕はいつも「行動のハードルを下げろ」と書いています。それは、脳の側坐核の仕組みからも言えることです。

習慣化:人間のやる気スイッチ「側坐核」  この記事では、発達障害の診断を受けたdobbyが「習慣化」の技術について書いていきます。人間の脳の部位の中でも、「習慣化」のキーとな...

 この「行動のハードルを下げる。」という手法が、スモールステップです。

 スモールステップとは、

 スモールステップとは、習慣化したい行動をハードルの低い小さな行動に細分化し、それを一つ一つクリアすることで徐々に習慣化していくテクニックのことをいいます。 

 行動を起こすハードルが高いと、毎回「辛い」とか「面倒くさい」という思いが先行して、「やる気スイッチ」を押す行動をしなくなります。
 これでは、結局習慣化が頓挫しますので、全く意味はありません。
 なので、行動を起こすハードルを「ちょっと頑張れば出来そう」というところまで落とし込むことが、習慣化の継続、定着に必要です。 

 行動を起こすハードルを「ちょっと頑張ればできそう」というところまで落とし込むことで、小さな成功を得ることが出来ます。この小さな成功によって自信がつき、「もう少し出来るのでは」という欲も出てきます。このくり返しで、習慣化の最終目標の達成を目指していきます。

 例として「朝9時に起きていた人」が「朝6時に起きる。」ことを最終目標に設定したとします。

 でも、今まで「朝9時に起きていた」人がいきなり朝6時に起きることはかなり高いハードルです。ただ、「とりあえず30分早く、朝8時半に起きる。」だと「ちょっと頑張ればできそうかも?」も多いのではないでしょうか。

 なので、最初はちょっと頑張れば出来る、「朝8時半に起きる。」ということを目標にするのです。「朝8時半に起きる。」が2週間続いたら今度は「朝8時に起きる。」という目標に高めてみる。
 これをくり返して、「朝6時に起きる」という最終目標の達成を目指します。

 この時、決して無理してハードルが高い目標を設定してはいけません。あくまで「ちょっと頑張れば出来そう」な行動を積み重ねていくことが必要です。

スモールステップとif-thenプランニング

 以下の記事で、習慣化には「if-thenプランニング」が有効であると書きました。

習慣化の手法:if-thenプランニング  この記事では、発達障害の診断を受けたdobbyが「習慣化」の技術について書いていきます。ここでは、さまざまな論文により効果があると確...

 この時の行動設定の仕方も、スモールステップが有効です。
 習慣化したい行動のトリガーにスモールステップの考え方を取り入れるのです。

 この記事の中で、

【if】Xしたら【then】Yする」プランニングを設定する場合、Xはすでに習慣化していることなど、行動エネルギーがかからないものにするのが効果的。

 と書きました。

 そして、「側坐核」を取り扱った記事でも、

  • 側坐核に刺激を与える方法は「とりあえず何か行動すること。」
  • 最初の行動は、側坐核の刺激に頼らず始めなければいけないこと。

 と書いています。

 とりあえず何か行動するのに、側坐核の刺激に頼らなくても出来るくらいの行動を最初に持っていくことが必要です。

 if-thenプランニングは一連の習慣化行動について、行動エネルギーの小さいものから段階的に行動エネルギーの大きなものにつなげていくスモールステップの考え方を取り入れていることになります。

スモールステップの留意事項

 習慣化の行動で時間をかけて段階的に行動していくと、どうしても定着するまでに時間がかかります。

 いきなり、最終目標に到達できそうであれば、段階は少なくて済むので、時間はかかりません。

 ただ、いきなり最終目標に到達するのは大抵無理です。
 無理だから、時間をかけて段階を踏んで習慣化していくのです。 

 習慣化に時間がかかること。
 無理なことは出来ないと認めること。
 そして、少しずつでも進歩していることを認めること。
 何より焦って最終目標に到達しようと無理をしないこと。

 これが、スモールステップを進める時の注意点になります。

 時間がかかることを受け入れてください。
 めげずに継続すれば、いつか最終目標に到達します。

まとめ ~発達障害の人は特に小さな一歩を~

 以上で、習慣化について、スモールステップを話をしました。 

  • スモールステップは行動を起こすハードルを「ちょっと頑張ればできそう」というところまで落とし込むことである。
  • if-thenプランニングもスモールステップを応用すると良い。
  • 習慣化をスモールステップで進める時は、時間がかかることを受け入れ、無理をしないことに留意する

ということになります。

 このスモールステップというのは、階段に例えるとわかりやすいともいます。

 階段の一段は、自分が足が上がる範囲までしか上がりません。
 それ以上のことは、足が上がらないから無理です。

 しかし、何段か階段を積み上げることで、一段では到達できない高さにたどり着くことが出来ます。このように自分で階段を作る行動がスモールステップの考え方だと思います。そして、その階段の作り方は人それぞれです。

 足が高く上がる人もいれば、子供のようにそもそも足の長さがないときもありますし、筋力がなくて足が高く上がらない人もいます。
 でも、全く足が上がらないという人は少数です。
 なので、自分にあった階段を作ることが出来ます。

 更に言うと、到達するまでの時間も人それぞれです。
 時間をかけないで早く到達する人もいれば、時間をかけて到達する人もいます。
 でも、階段を登っていれば、いつかはたどり着きたい高さにたどり着きます。
 
 おそらく、発達障害の人の習慣化の階段は一段一段が低いものになるでしょう。
 そして、時間も普通の人よりかかるかもしれません。
 時としてその一段が登りきれないときもあると思います。

 でも、焦らないでください。
 少しずつ登っていく、必要に応じて階段を作り直す、時間をかけてでも到達点に近づく。
 そして、到達したことを想像して、少しずつでも前向きに進んでいることを認めてあげましょう。

 発達障害の人こそ、地道に小さな階段をゆっくり登ることが必要です。

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