この記事では、アドラー心理学を紹介した『嫌われる勇気』の内容から僕が印象に残ったことについて、その考えを書いていきたいと思います。ここで紹介するのは「人生の3つのタスク」です。
アドラー心理学では、以下の通り人生面での行動目標、行動を支える心理的目標を掲げています。
- 人生面での行動目標
①自立すること
②社会と調和して暮らせること - 行動を支える心理的目標
③私には能力があるという意識
④人々は私の仲間であるという意識
その目標を達成するため、個人が社会的な存在として生きていこうとする時、直面せざるを得ない対人関係の3つのタスクがあると言っています。
人生の3つのタスク
アドラー心理学の3つのタスクは、関係性が深くなる段階で並べると以下のとおりです。
- 仕事のタスク
仕事で成果を出すために協力し合う関係
→相手のことを条件付きで「信用」する関係 - 交友のタスク
仕事という枠に囚われず結ばれる友人関係
→相手のことを条件なく「信頼」する関係 - 愛のタスク
恋愛・夫婦・親子関係などパートナーとの最も親密に繋がる関係 →よりお互いを「信頼」しながら、一緒に人生を歩んでいく関係
その関係性の深さから仕事→交友→愛とタスクの難易度は増していくと言われています。
それぞれの僕なりの解釈は以下のとおりです。
仕事のタスク
ここでいう仕事は、生活の糧を得るための労働にとどまらず社会生活を送るうえで果たすすべての役割という解釈です。仕事のタスクは共通の目的の達成や、win-winとなるような双方の利益の実現のために協力する関係ということになります。
アドラー心理学のブログの記事をいくつか読んでみると、趣味や社会生活の関わりは、交友のタスクに含めていることが多いのですが、関係性の深さを基準にすると仕事のタスクのほうが理解できると思い、こちらに入れています。
交友のタスク
これは、仕事のタスクにあるような共通の目的の達成などの制約なく結ぶ関係です。条件無しに相手のことを信頼する関係であると言え、仕事のタスクより一段と関係性が深くなります。相手に関心を向け、尊敬することで結ばれる人間関係と言えます。
愛のタスク
これは、交友のタスクよりさらに深く、互いの運命までともにする関係です。「わたし」だけの幸せを願うのでも、「あなた」だけの幸せに気を払うのでもなく、「わたし」と「あなた」、すなわち「私達ふたり」の幸せを築き上げる関係です。
まとめ ~僕の人生の3つのタスク~
僕は、交友のタスクも愛のタスクも避け続けていました。他者に関心を払うことや共感性が低く、どちらかといえば孤立気味です。そして、交友や愛ということがすごくきれいごとに聞こえ、その反発心からタスクを避け続けていたとも感じています。
僕のような、さまざまな口実を設けて人生の課題から逃れようとすることをアドラーは「人生の嘘」 と読んでいます。人生の課題から逃れた人は仕事のタスクしか出来ずに孤立していくと思います。
ただ、人生の課題から逃れる癖がつくと、なかなか交友のタスクも愛のタスクも踏み出すのが難しいです。他者に関心を寄せるようにライフスタイルを変えていくことが大変です。そうした人に勇気を与える考え方もアドラーは提示しています。それが「承認欲求の否定」であったり、「課題の分離」であったりします。
それについては以下の記事も書いていますので、併せて参照いただければと思います。